初めて株式投資をする場合、どんな銘柄に投資すればいいのか迷ってしまいませんか。東洋経済が出版する会社四季報には約4000近くの企業が載っているので、この中から有望銘柄を選ぶとなるとすごく大変な作業です。


ポートフォリオをつくるコツ

また、日経平均株価が上がっていれば、どの銘柄もあがるというわけではありません。日経平均株価の動向に左右されない銘柄も数多くあります。


どんな銘柄がどんな値動きをするのか、基本的なポートフォリオを作成すると、業種別の特徴が見えてきます。そこで、ポートフォリオ作成の基本的なポイントをご紹介したいと思います。



銘柄の業種を探す

まずはどんな業種があるのか確認してみましょう。yahoo!ファイナンスのサイトを開いてメイン画面を下にスクロールしてください。画面の途中右側に「業種別でさがす」と出て来ます。


業種別のポートフォリオを作る

数は多いですが、始めは業種を覚えるところから始めてみましょう。


ただ、yahooの場合は業種の分類が細かいので、日経平均株価が採用している業種分類、または東洋経済が独自に作成している東洋経済業種分類の大分類を利用してもいいと思います。


各業種の傾向

株価は景気、為替、世界経済の変動によって常に変動しています。ところが、例えば為替の変動に大きく影響を受けるセクターもあれば、それほど影響を受けることがないセクターもあるんですね。


そこで、どのセクターがどんなことによって影響を受けるのか覚えておくといいと思います。

円安になると株価があがる業種

円安になると株価が上昇しやすい銘柄は自動車・電子機器・精密機械などです。ということは、逆に円高になると株価が下がりやすい傾向にありますね。

円高になるとメリットを受けやすい業種

一方、円高になると株価が上昇しやすい銘柄は電気・ガス・化学・紙などです。そのため、円安になると株価が下落しやすい傾向にあります。

相場の伸びが軟調なときに資金が流れる業種

相場が堅調なときは、景気の動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄に資金が流れる傾向があります。ディフェンシブ銘柄とは、商品の価格があまり変わらない銘柄のことで、食料、医薬品、電力、ガスなどです。

下落相場から上昇してくるときに動く業種

全体的に長く下落相場が続いていて、そこから勢いをつけて相場が上昇してくるときは、銀行関連の銘柄が先導することで知られています。

国内外に左右される業種

国内の景気が良い時は建設・不動産・小売り・卸売りなどの銘柄が高くなり、国外の景気が良い場合は自動車・電気・精密機器などの銘柄が高くなる傾向にあります。


このように業種別で銘柄を観察していると、そのときの状況により、株価が上がったり下がったりするのが見えてきます。また、景気が良いときは、株価は全体的に上昇しますが、ほとんど影響を受けない銘柄も存在します。


一般的に景気の影響をあまり受けないと言われている銘柄の一部はこちらです。

  • 情報通信
  • 陸運業
  • ユニクロ

全体的な景気の流れを大きく受ける業種(セクター)とそうではないセクターがあるので、いくつかにわけて動向をみるとよいでしょう。


業種別の基本をマスターしておけば、リスクを低減することにもなるので、投資をするのに有利になります。全ての銘柄を観察するのが難しい場合、好きなセクターをいくつか選んでおくのもいいと思います。


銘柄を選ぶときの注意点

セクター別にポートフォリオを作成したら、固有銘柄を選んでいきます。始めは2つか3つくらいで十分です。慣れてくれば徐々に数を増やしていけますね。


ただ、ここで重要なのは、同じ業種の中からいくつも銘柄を選ばないことです。


というのは、例えばトヨタとホンダのように同じ自動車関連の銘柄を選んだとしましょう。このとき円高相場になると、同じような値動きをするので、トヨタの株価が下がるとホンダの株価も下がることになるからです。


あくまで傾向なので、確実にこうなるということではありませんが、為替、トヨタとホンダの月足チャートを見比べて下さい。

これはUSD/JPYの月足チャートです。

USDJPY月足チャート

これはトヨタの月足チャートです。

トヨタ月足チャート

これはホンダの月足チャートです。

ホンダ月足チャート

円高になるとトヨタやホンダの株価は下がり、円安のときはどちらも上がっています。また、トヨタの株とホンダの株の動きはすごく似ていますね。


わずかに異なるのは、変動率です。トヨタの株の値動きはホンダの株の値動きに比べて緩やかなのがわかります。こちらの違いについては、後ほど説明しますね。


自動車株の場合、個別銘柄のチャートの形は似ていますが、同業種でも、値動きに関連性がほとんど見られない業種もあるので、業種別にポートフォリオを作成して確認したほうがいいです。

固有銘柄を選ぶときのポイント

同じ動きにならない銘柄を組み合わせると、一方では損をしても、もう一方の銘柄では利益を狙えます。そこでこのような組み合わせで投資すれば、総合的に大きな損失は回避できます。

  • 円高のときにメリットがある銘柄と円安の時にメリットがある銘柄を組み合わせる
  • 国内景気に左右される銘柄と国外景気に左右される銘柄を組み合わせる
  • 全体の景気に敏感に反応する銘柄とディフェンシブ銘柄を組み合わせる

関連性の低い銘柄や対照的な動きをする銘柄を組み合わせて分散投資をすればリスクヘッジになりますね。それと、銘柄を選定する前に、出来るだけたくさんの業種をみておいたほうが有利です。


というのは、組み合わせの幅が増えますし、どの銘柄がどんな動きをしているのか分かるようになるからです。練習していると、銘柄の組み合わせも上手くなります。

業種内の動きで注目するポイント

セクター内で似たような値動きをする傾向がある場合、初めに動く銘柄とその銘柄の後を追って動く銘柄があります。


同じ業種内で一番先に動く銘柄をみつけて、それを追いかけながら投資をすれば、よりリスクを低く抑えられます。ただ、一番初めに動く銘柄が、いつも決まった銘柄になるとは限らないので気を付けましょう。





値動きの幅を見るためのβ(ベータ)値

日経平均株価と連動して株価が動く銘柄の場合、ベータ値を参考にするといいと思います。ベータ値とは、株価指数と比較した個別銘柄の値動きの大きさを示す数値のことです。


いくつものサイトに「ベータ値」は掲載されているので、調べてみるといいと思います。ベータ値は日経平均株価やTOPIXといった株価指数が1%動いたとき、個別銘柄が何%動くかを示したものです。


例えば、日本経済新聞が掲載しているベータ値のランキングをみると、アサカ理研(証券コード5724)の過去推計3年間のベータ値は、+5.39になっています。これは、株価指数が1%動くとその5.39倍で株価が変動することになります。(2017年11月現在)


また、三菱UFJ(証券コード8306)ならば+1.79なので、株価が1%動くと1.79倍の比率で株価が変動することになりますね。(2017年11月現在)


このようにベータ値が高い銘柄ほど、株価の変動が激しいことになるので、ベータ値を参考にして銘柄の選定もできます。


ただ、ベータ値が高くなるほどリスクが高い銘柄になり、低くなるほどリスクが低い銘柄になることは忘れないで下さい。


また、銘柄にはβ(ベータ)値がマイナスになっているものもあります。これは、株価指数と反対の値動きをする銘柄になります。


それと、β(ベータ)値は過去から現在までの実績ですから、将来を保証するものではないので未来も同じ数字になるとは限りません。

ベータ値からわかる傾向

ベータ値からもいくつかの傾向を読み取ることができます。為替やセクター別の傾向と合わせれば、より参考になるかと思います。

景気に敏感に反応する銘柄とディフェンシブ株の傾向

過去のデータ値を見てみると、景気に敏感に反応するセクター、たとえば証券、不動産、海運、鉄鋼といった銘柄株は、ベータ値が高くなる傾向になり、ディフェンシブ株と言われる医薬品、食料品、小売りといった銘柄株はベータ値が低くなる傾向にあります。


景気に敏感に反応する株の中には、ベータ値が2以上の銘柄が多く含まれているのに対し、、ディフェンシブ株の銘柄には0.5以下のベータ値のものが散見されているので確認してみましょう。

業界ランキングが上位の銘柄と業界中位・下位銘柄の傾向

セクター内で比較すると、業界上位の銘柄は全体的にベータ値が低く、ランキングが下がるほどベータ値が高くなる傾向にあります。


先ほどのトヨタとホンダのチャートでも、トヨタの方が株価の変動は緩やかですね。ランキングベースで考えた場合、このことからトヨタよりホンダの変動率のほうが高くなる傾向にあるといえます。

低位株と値がさ株の傾向

株価が低い銘柄株(低位株)の方が値段が高い株(値がさ株)に比べて、ベータ値が高くなる傾向にあります。低位株は比較的に業績の変動が激しい銘柄が多いのに対し、値嵩株には業績が安定したものが多いからです。


最後に

実際にポートフォリオを作成してみると、いろいろな傾向が見えると思います。だた、推測するには役立ちますが、あくまで可能性の問題なので、参考くらいに考えたほうが良さそうです。


業績別の動向がわかってくると、「この場合このセクターなら上昇で、このセクターなら下降になる」とついつい思い込んでしまうこともあります。


ですが、傾向というのは確実にそうなるというわけではありません。実際にトレンドの転換期を100%予測することは不可能です。


例えば、円高が続いているので業種の傾向としては株価が上がりそうな銘柄なのに、実際には株価が下がる銘柄もあります。その一方、業種としては株価が下がる傾向にあるにもかかわらず、株価が上昇する銘柄もあります。


とのことから、中期・長期で投資をするときは、固有銘柄の業績が今後の判断基準の大きな目安になるかと思います。それと株式投資をはじめる場合、まずは勉強することをおすすめします。


知識があるとないのでは、結果に影響がでるはずです。大きな失敗をする前に、知識を身に付けましょう。そこで、おすすめしているのが「渋谷高雄株式大百科」です。


ギャンブル的要素が強いと言われている株式ですが、株は将来を推測した投資です。なので、しっかり勉強することが大切だと思います。


渋谷高雄株式大百科は、負けない投資家になるための教材です。それと、失敗談も紹介されているので、どんなときに失敗してしまうのかもよくわかります。


株を始める前に読んでおくと、取り返しのつかない大敗は防げるはずです。ボリュームのある教材ですが、投資で稼ぐためのノウハウがぎっしりつまっているので参考になるかとおもいます。