突然ですが「投資信託はやめたほうがいい」「それは全くもうからない」など、聞いたことはありませんか?株よりも危ないという意見もあるかと思います。


そもそも投資信託って何なのでしょう。分からないことが多いので、投資信託について調べたことを紹介します。



投資信託とは何なのだろう?

投資信託とは、何人もの投資家からお金を集めてそれを資金運用のプロが株式や債券などに投資し、その運用の成果として生まれた利益を出資者に還元するという金融商品のことです。


投資のプロと呼ばれるファンドマネジャーが投資先を決めて運用するので、株や債権、先物など、投資の知識がなくても始められます。


個人で金融商品に投資をするならば、資金的に限られてきます。でも投資信託では、たくさんの人から運用資金を集めるので、お金は潤沢にあります。


ですので、資金にとらわれることなく有望だと思われる銘柄を購入できます。


また、運用していく種類も豊富です。値上がり率の高い銘柄をあつめたタイプや円高に強い銘柄と円安に強い銘柄を合わせたタイプ、安定した値嵩株だけを集めたタイプ、他にも新興国の株を対象としたもの、オプションや先物取引きを対象としたものなど、リスクの高いものから低いものまで、投資スタイルに合わせて選ぶことができます。


国内で投資信託を利用するひとは、それほど多いとは言えませんが、投資の文化が進んでいるアメリカでは、株式投資と同じくらい一般的な資産運用のひとつになっています。


「投資信託とファンド」って同じなの?

投資信託とファンドは広い意味では同じです。しかし厳密には違います。


投資ファンド

一般的に投資信託やファンドは、こんなことです。

  • 投資家から集めた資金を一つにまとめて投資を行い、そこで得られた利益を出資者に分配する仕組みのこと
  • 資金を運用する会社、組織、基金のこと
  • 扱う金融商品のこと

しかし、「国が定めた投資信託委託業者の監督の下で運営されている会社や組織だけ」が投資信託になります。つまり、投資信託はファンドのひとつです。行政によってしっかり管理されているのが投資信託、ファンドはそれ以外のものも含んでいます。


ただ「ファンド」は、投資信託以外の金融商品を指すときもありますが、一般的には金融商品のことで、こういった商品です。

  • 公募投資信託
  • 特定金外信託(特金)
  • 匿名組合、リミテッド・パートナーシップなど




投資信託の値段ってどんなふうに決まるの?

ダイワ投資信託

投資信託の値段は基準価額で決まります。基準価額とは投資信託の時価のことです。どのように算出されるかといえば、始めに投資信託が投資している全ての資産(有価証券など)をその日の値段で評価します。


それに資産から得る利息と配当金を追加します。そこから手数料など、かかる費用を差し引くと純資産額がわかります。純資産額は時価総額のことなので、いわばこの投資信託の規模になります。


純資産額をその投資信託全体の口数で割ると1口当たりの価額になり、これを基準価額と呼びます。なお、1口=1円の投資信託なら1万口当たりの価額、1口=1万円の投資信託なら1口当たりの価額が表示されます。


もし、基準価額を知りたいときは、各運用会社、販売会社、評価会社のホームページや新聞をみるか、問い合わせてみると教えてもらえます。


基準価額はその投資信託が保有している財産で決まるので、毎日その時価は変わります。ただし、株のように頻繁に動くわけではなく、1日に1回だけ計算し公表されます。


通常、株式市場が終了する3時のあとから、夕方の6時くらいまでにその日の基準価額は決まります。ただ、外国株の場合、時間帯が違ってくるので注意が必要です。


投資信託の仕組みとは

投資信託は行政の管轄に置かれた組織です。また、販売会社、運用会社、そして信託銀行の3つによって構成されており、その運営自体も一般の会社とは異なっています。


では仕組みを見ていきましょう。


まず、「販売会社」にあたる銀行や証券会社が投資信託を販売して資金を集めます。その資金は、「運用会社」によって運用されるのですが、そのお金(資産)は、「信託銀行」が保管・管理しています。


イメージにした場合、投資信託をパソコンのような商品だと考えると、運用会社は商品を製造する「メーカー」になります。そこで生産されたパソコンは保管するため倉庫に移され、これが信託銀行です。


そこから運び出されたパソコンは小売店の店頭に並べられるわけですが、この場所が販売会社です。


一連の流れをお金でみてみると、投資したお金は証券会社や銀行などの販売会社を経由して、一度運用会社に流れ、運用会社はそのお金を信託銀行に預け入れます。


この上で、購入する株式や債券などを決め、売買の注文を信託銀行にします。預けたお金が担保になっているので、信託銀行は受け取った注文どおりに売買を行います。


購入する銘柄の決定はあくまで運用会社、実際にお金を動かすのは信託銀行です。この方法で運用されて利益がでると、その利益は信託銀行から運用会社にわたり、分配金という形で銀行や証券会社を経由して、投資した人の手元に流れる仕組みです。


このように投資信託は行政の管理のもと、お金の流れが不透明にならないように、販売する所、運用する所、管理・保管する所とそれぞれにわけられています。


投資信託にかかるコスト

投資信託を買う場合、手数料は販売会社に支払います。ただ、この他にも運用する費用や売ったときに発生する費用があります。


この諸経費は投資信託によって異なり、また期間によっても変わってきます。そこで、投資信託にかかるコストと税金を見てみましょう。


投資信託を購入すると「買う時」「持っている期間」「売る時」「償還時」のそれぞれにコストがかかります。また直接に支払うものと手持ちの投資信託から差し引かれるものがあります。


項目直接的間接的
買う時販売手数料
募集手数料

追加型

単位型
保有期間信託報酬
監査報酬
所得税・住民税
売る時信託財産留保額
所得税・住民税
償還時所得税・住民税

販売手数料とは購入するための手数料です。株式投資信託の場合、基準価額に一定の%をかけた額になり、投資信託によって異なります。通常、購入額の1~3%程度です。


販売手数料は、銀行や証券会社など販売会社の収入になりますが、中にはノーロードといって手数料が無料の投資信託もあります。また購入したときに支払うのではなく、解約時に支払いが発生する商品もあるので注意が必要です。


なお、消費税は別途かかります。


募集手数料は、投資信託の購入を募集しているときに支払う手数料です。最初の募集期間しか購入できないものを単位型投資信託といい、これはユニット型投資信託と呼ばれることもあります。


単位型投資信託は募集期間以降には購入できません。また解約がいつでもできる商品と一定の期間はできない商品があり、この場合、購入手数料は募集価額に含まれます。


追加型投資信託は当初募集期間、または運用開始後にかかわらず、いつでも購入可能な投資信託のことで、オープン型投資信託とも呼ばれています。追加型投資信託の場合、購入手数料は募集価額に一定の%をかけた額がかかります。


どちらの場合でも別途に消費税がかかりますが、販売手数料と募集手数料が同時にかかることはありません。


信託報酬は運用にかかる経費や資産を保管する費用、それから収益分配金の支払いに必要な費用などです。


日ごと日ごとに信託財産から差し引かれ、純資産残高に一定の料率を乗せて徴収するのが一般的です。信託報酬のだいたいの目安は、投資信託の金額に対して0.1%~2.5%程度です。


いくら差し引かれたのかについては、運用報告書を見れば分かります。通常、1年に1回もしくは6ヶ月に1回くらいの頻度で郵送されてくるはずです。


また監査報酬が発生するのは、監査法人の監査が義務付けられているからです。この費用も信託報酬とおなじように、日ごと日ごと純資産額の中から支払われています。


保有期間の所得税・住民税は分配金にかかります。分配金には「普通分配金」と「特別分配金」があります。この2つには違いがあって、「普通分配金」には税金がかかるのに対し、「特別分配金」には税金がかかりません。


というのも、特別分配金は収益調整金を原資として支払われているので、「自分が出したお金の払い戻し」という意味が強いからです。


信託財産留保額は、投資信託を中途解約する場合、手数料とは別に徴収される費用のことです。投資信託ではたくさんの人からお金を集めて株式や債券を購入します。


そのため、その中の一人が持ち分を売ってしまうと一部を換金する必要が出て来ます。


株式や債券の売却には手数料などかかりますが、かかる費用は売った人ではなく、その投資信託を保有している人にかかってきます。


これでは公平性に欠けています。ですので、売った人にもその費用を負担してもらいます。これが信託財産留保額です。


ただし投資信託によって、信託財産留保額が発生するものとしないものがあります。また、手数料とはことなるので消費税はかかりません。


売る時の所得税・住民税は国内公募株式投資信託の場合、買付に要した金額を超える収益が発生すると収益に対して所得税15.315%と住民税5%の合計20.315%がかかります。収益は解約差益と売却益のことです。


それから換金する際、「解約請求」か「買取請求」を選べるケースがあります。「解約請求」は投資している投資信託の持分を投資信託から取り崩してお金に換える方法のことです。一方、「買取請求」は投資している投資信託を販売会社に売って換金する方法のことになります。


以前は税制上の取り扱いに違いがありました。でも平成21年1月1日以降は、どちらの方法で換金しても税制上の取り扱いは同じになります。ただ、買取りは、特定口座が必要になるので、この口座がないときは、解約請求のほうが簡単です。


解約請求や買取請求で利益が出た場合、税法上の「譲渡所得」または「みなし譲渡所得」になります。仮に、投資信託で利益が出ていても株式の取引で損失が出ていれば、利益から損失を引いた額が税金の対象です。また、その他の手数料を経費として譲渡益(利益)から差し引くことも可能です。


公社債投資信託の場合も国内公募株式投資信託と同様に収益にたいして一律20.315%(所得税15.315%+地方税5%)が徴収されます。単位型でも追加型でも税金の額は変わりません。


公社債投資信託とは、地方債や国債などの公共債と社債などの事業債を中心にして運用される投資信託のことです。


償還時の所得税と住民税は国内公募株式投資信託の場合、取得価額を超えた収益(償還差益)に対して所得税15.315%および住民税5%の合計20.315%が徴収されます。


投資信託にかかるコストがわかったので、次は投資信託と預金・株式・債券の違いを見ていきましょう。


投資信託と預金、株・債券の違いとは?

資産の増やし方にはいろいろありますが、投資信託と預金、株式・債券では何が違うのでしょうか。まずは預金から考えると、預金した場合、元本(預けたお金)が保障されているので、貯金したお金が減ることはありません。


これに対し、投資信託は元本が保証されていないので、投資した額よりも戻ってくる金額が少なくなっていることもあります。もう少し詳しく預金と投資信託を比較してみましょう。


銀行の収入は企業に資金を貸し付けることで得た利子です。銀行に預金した場合、その利子の一部が貯金したお金に支払われる利息になります。ほとんど利息はつかないので、ほんのわずかな額です。


でも、貸付をしている企業が倒産しても、その負担は銀行が負うことになるので、預金者の貯金が消えることはありません。なので、とても安全性の高いお金の貯め方といえます。


これに対し、投資信託の場合、販売会社と運用会社、信託銀行の利益は手数料だけです。投資から得た収益は、投資信託を購入した人のものになります。ということは、投資によって大きな利益をえることもできますが、逆に損失がでた場合、それを投資家が負担することになります。


投資信託と預金の違いがわかったところで、次は株式と債券の違いを見ていきましょう。

株式って何なの?

そもそも株は、企業がお金を集めるために発行しています。株式を売って得たお金を開発や事業の拡大に充てることができますね。銀行から借りる場合、担保が必要になりますが、株の場合はそれもいりません。

株を購入するというのは、その会社に投資することで、株主の一人になることです。投資した会社の業績が伸びれば、株価も上昇しますし、株主の利益もそれと共に増えることになります。


ただ、逆に投資した企業の業績が下がれば、株価も下落することになり、最悪、倒産してしまうと株券はただの紙切れです。株式は、資産を増やすために将来を予測することなので、預金や債券にくらべてハイリスクといえます。

債券って何なの?

債権とは、国や会社が一般からお金を借りるために発行する券のことです。債券を発行した場合、その利息として、毎年一定額の支払いを一定期間行います。


債券を発行すれば、銀行から借入するより少ない利息でお金を集めることが出来ます。債券の購入は、それを発行した国や会社に対してお金を直接貸すことです。


債券も市場で売買されていますが、満期日には元本が戻ってくるので、株に比べてリスクが低いです。また株よりも安定した値動きをします。


どちらにしても株式や債券に投資する場合、ある程度の知識がある方が有利です。株式と債券がわかったところで、投資信託のメリットとデメリットについても見ていきましょう。


投資信託のメリットとは

投資信託は国内だけでなく海外の株式や債権、先物も投資対象になっていて、メリットはこのとおりです。

  1. 少額から投資ができる
  2. 分散して投資ができる
  3. 資産の運用はプロがする
  4. 個人では手がでない投資対象でも投資できる

メリット1 少額から投資ができる

投資信託は、たくさんの人から集めたお金で運用されています。仮に最低投資額が大きければ、資金を調達するのが困難になりますね。


そのため、ほとんどの投資信託は少額から始めることができるくらいの額になっています。たいてい、1万円前後程度で購入が可能です。

メリット2 分散して投資ができる

分散投資はリスクを抑える方法の一つですが、いくつもの銘柄に投資しなくてはならないので、たくさんの資金が必要になります。

でも、投資信託を購入すれば少ない資金でいくつもの銘柄の一部を同時に保有することができます。ということは、リスク分散型の投資ができます。

メリット3 資産の運用はプロがする

銘柄の数は「無数にある」といっても過言ではないはずです。国内だけでも4000くらいはあるので、世界中の銘柄をあつめるとすごい数です。


銘柄の選定やリスク管理などには、多くの時間と知識が必要になりますが、金融取引のプロ、ファンドマネジャーに任せることが出来ます。

メリット4 個人では手がでない投資対象でも投資できる

先物やオプション取引になると豊富な資金が必要になってきます。資産にかなりのゆとりがなければ、個人で取引きするのは難しいです。


投資信託では、先物やオプション等を専門に取り扱っているところもあります。ハイリスクの投資ですが、これなら少額からでも投資できます。


ところで、「投資信託」と検索してみると「リスク」という言葉がひっかかりませんか。リスクですからデメリットともとれます。しかし、一般的に解釈されている意味とは違う意味を持っています。





投資信託のリスクってなに?

投資信託は預金とはことなり、元金保証がされていません。なので、預けたお金が減ることもあります。株券や債券などに投資するため、株式市場や債券市場の動向によって、値段の基準価額も変わってきます。


確かに「リスク」は危険性のことを指しますが、もうひとつ、意味があります。基準価額が上がったり下がったりする変動を「リスク」といいます。たとえば、「リスクが高い」となると値動きが激しいことを指します。


リスクの要因は投資対象によってある程度決まっていますから、事前に知っておけば、その投資信託の値動きをイメージすることができるかと思います。


投資信託には「価格変動リスク」「金利変動リスク」「為替変動リスク」「債務支払不能リスク」「REITのリスク」「信用リスク」「流動性リスク」「カントリーリスク」「空売りによるリスク」など、いくつもあります。


例をあげるときりがありませんが、いくつか見ていきましょう。

価格変動リスク

ポートフォリオに組み込まれている株式や債券などの価格は、企業の業績や景気の動向などの影響を受けます。株式の場合、景気が悪化すると基準価額は下落し、景気が良くなると基準価額は上昇しますね。その一方、債券の場合は景気が悪化すると基準価額は上昇し、景気が良くなると基準価額は下落します。

金利変動リスク

市場の金利が上昇したり下落すれば、債券の価格も影響を受けます。市場の金利が上がれば債券の価格は下落し、逆に市場金利が下落すると債券の価格はあがります。


また債券の場合、償還までの期間が長いほど価格の変動幅は大きくなり、期間が短ければ小さくなります。償還までの期間が長い債券を多く組み込んでいる場合、金利の変動によるリスクが高いです。

為替変動リスク

外国株式や外国債券などの投資信託は為替レートが変動に影響されます。円高になると債券価格は下落し、逆に円安の場合、価格が上昇します。

債務支払不能リスク

債券を発行している政府や会社が、約束していた利払いや元本の支払いができなくなるリスクです。債券ごとに債務支払不能リスクを測る尺度に、格付期間による格付があります。

REITのリスク

REITとは不動産投資信託のことをいい、自然災害・火災などによるビルや施設の崩壊や不動産にかかる税制の変更などの影響を受けます。

信用リスク

投資信託に組み込んだ銘柄の経営が悪化した場合、その有価証券の価格が下落したり価値がなくなるリスクです。また、償還金や利払い等の支払いが滞り債務不履行になるリスクもあります。

流動性リスク

流動性リスクとは市場規模が小さい場合のリスクです。銘柄によって、取引き量が少ないことがあります。このときは希望の価格で売却できないので、基準価額が下落します。

カントリーリスク

カントリーリスクとは、投資先の国の政治・経済情勢などの変化、為替規制等で基準価額が影響をうけるリスクのことです。


また、現地通貨建て株式や公社債に投資している場合、流動性リスクもあります。外貨を日本円に戻すまで時間がかかることもあるので、その場合は解約代金の支払いが遅延します。

空売りによるリスク

株式の空売りを積極的におこなうファンドもあります。組み入れている現物株式の価格が上昇しても、売りを入れるのでこの影響により基準価額が値下がりすることがあります。


ほかにもリスクはまだまだあるので、気になる投資信託を見つけたら、どんなことがリスク要因になっているのか調べてみるといいと思います。


投資信託のベンチマークって何?

投資信託について調べると「ベンチマーク」って言葉が出てきます。ベンチマークは、どんなタイプの投資信託なのかが、わかる指数のことです。


例えば、自分が投資した投資信託が良かったのか悪かったのかを知るには、損益をみればすぐに分かります。しかし、全体的に相場が良かったので結果がそうなのか、ファンドマネジャーが優秀だったのでその結果になったのかについては分かりにくいです。これを知るために使うのが「ベンチマーク」になります。


ベンチマークを日本語にすると「判断や判定のための基準」となり、投資信託のベンチマークには一般的な「指数」(例えばTOPIX(東証株価指数)や日経平均株価など)が使われています。


インデックス(指数)がベンチマーク(参考指数)になり、その投資信託の運用の目安です。通常、指数はその市場の平均と考えられているので、その指数よりも上回る運用成績なら、ファンドマネジャーが優秀だったと判断できます。


たとえば、日経平均株価指数をベンチマークにしている投資信託の場合、この投資信託は日経平均株価指数の動きを長期的に上回る運用を目指していることになります。


ですので、この投資信託が日経平均株価と比較してよりよい運用成績ならば、その目標は達成されていると推測できます。ベンチマークは運用会社が決めているので、投資信託によって使う指数が異なります。


「投資信託説明書」や「運用報告書」には設定されているベンチマークが載っています。それと、その運用会社の成績を知るためには、最低3年くらいの長いスパンで比較したほうが良いようです。


ただし、ベンチマークが設定されていない投資信託も中にはあります。

代表的なベンチマーク

日本株で運用する代表的な投資信託のベンチマークは、TOPIX (東証株価指数)日経平均株価です。


外国株式で運用する投資信託のベンチマークはMSCI コクサイ インデックスです。日本を除いた主要国を対象とする株価指数で、世界中の株式に分散投資するタイプの投資信託のほとんどが、この指数を「ベンチマーク」にしています。


MSCI ワールド インデックスは、新興国21カ国を対象とする投資信託の多くがベンチマークにしています。


日本債券で運用する投資信託のベンチマークはノムラBPI総合指数です。日本の公社債を投資対象としている投資信託の多くがこのインデックスをベンチマークとしていて、日本の公募債券流通市場の全体的な動向を表す投資収益指数になります。


外国債券で運用する投資信託のベンチマークはシティグループ世界国債インデックスです。高格付の海外の国債に投資するタイプの投資信託の多くが設定しているベンチマークになり、世界主要国の国債の総合投資利回りを各市場の時価総額で加重平均した指数になります。


新興国の債券に投資するタイプの投資信託の多くが、JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックスを「ベンチマーク」としており、新興国債券市場の時価総額で加重平均した指数です。


株式・債券のリスクを減らす方法

投資信託では、値動きの幅が「リスク」で、その幅が大きい投資先ほど、期待できるリターンが高くなります。ということは、損失も大きくなるということです。


また株式と債券を比べた場合、株式の方が債券よりもリスクは高くなり、海外と国内を比べた場合、株式・債券のどちらも国内の商品のほうがリスクは低いです。


株式と同じように債券も市場で売買されていますが、債券が株式に比べてリスクが低いのは、債務支払不能リスクがあるとはいえ、利子や満期日に戻ってくる元本が約束されているからです。一方、元本が保証されていない株式は値動きが大きくなります。


この点から、リスクを減らすための方法を考えてみると、こうなります。

  • 【方法1】 複数の資産を組み合わせて資産を分散してみる
  • 【方法2】 長期的な投資を考える
  • 【方法3】 積み立てを活用する

方法1複数の資産を組み合わせて資産を分散してみよう

資産をリスクの高い投資信託に限定しないで、リーターンがそれほど見込めなくても安全性の高いものにも投資してみるといいと思います。いくつかの商品に分散して投資をすれば、リスクも分散され大きな損失にはなりません。


例えば商品を選ぶときに、円高につよい商品とよわい商品を組み合わせるなどすれば、たとえ大きな価格変動があったとしても、リスクを軽減できます。


「すべての卵を一つのカゴに盛るな」ということわざがありますね。もし、一つのカゴの中に全部の資産があると、そのカゴを落としてしまった場合、全部の卵が一度に割れてしまいます。


でも、いくつかのカゴに分けて卵をもっていれば、たとへ一つのカゴを落としたとしても、他のカゴの卵には影響がありません。また、相場は良いときもあれば悪いときもあります。


仮にすべての資産をひとつの商品に投資した場合、最悪のケース、資金がゼロになることも考えられます。これは、商品にかぎらず信託会社にしても同じだと思います。一つに絞るより、いくつか選んだほうが無難です。

方法2長期的な投資を考えよう

市場は、短期間で考えると一時的な要因でおおきく変動することがありますが、長期で見た場合リスクがちいさくなる傾向があります。短期間の場合、それほど価格に変わりはでませんが、成長している銘柄ならば、長期のほうが有利です。

方法3積み立てを活用しよう

資金の全部を投資するのではなく、毎月一定額を積み立てるなどするとリスクを抑えることができます。投資信託も株と同様に安いときに買って、高いときに売ればもうけになりますが、それを推測するのはプロでも難しいことです。


一定の金額を積み立てる方法に「ドルコスト平均法」があります。ドルコスト平均法とは、価格が低くなったら買い増しをし、価格が高くなったら買う量を減らすという方法です。


継続してこのように投資していけば、最高値付近で買いすぎたり逆に値が安いのに買い損ねるということにはならないはずです。また、値段が高いときには購入する量をへらし、値段が下がったら買い増しすることもできます。ドルコスト平均法を使えば、結果的に平均購入単価を引き下げることになるので、リスクを抑えることになると思います。