広告業界の人によると読まれる広告には何かしらの共通点があるそうです。どんなことかといえば、次の3つのいずれかをアピールしていることなんです。
「一体、何なのか?」気になりますよね。
それは、「セックス、欲、不安」この3つです。
当記事では読み手にピタンとマッチする訴求ポイントの見つけ方をご紹介します。
人の興味をそそること
たいていの人は「セックス、欲、不安」の何かしらには興味があるはずです。とは言え、たったこれだけでは漠然としているので、もう少し詳しく説明します。
「セックス」という言葉は単に肉体的な行為だけではなく「愛情」「友情」「好意」といったことも含んでいます。「欲」はどんなものであれ、お金で買えるもののこと。そして「不安」は何かを失う不安、手にしたいものが入らない不安、お金では解決できないことなど、問題だと感じること全般です。
たいていの人なら少なくとも一つくらいは興味があると思います。どの要素にも興味・関心がまったくないという人は、いないはずなんです。相手が広告や記事を読みたくなる理由は、こういった欲求を満たしてくれるかもしれない、もしくは解消できるのではないかと思うからです。
では、どんなことをすれば相手の心をくすぐることができるのか?相手は欲求を満たしたい、不安を解消したいと思っていますから、それにつながることを伝えればいいわけです。
読み手にとって良いことが書いてあれば、読まない理由はありません。つまり本当に読まれる広告(記事)は、相手にとって何かしらのメリットがしっかり書かれているんです。
ところが何かを売らなければと考えると、製品の素晴らしさをアピールしたり、こちら側の一方的な気持を伝えたりしてしまいます。これが広告が失敗してしまう一番大きな原因です。
ただほんの少し前までは、次のような広告でもそれなりに反応がありました。
昔から使われてきたお金の訴求広告が悪いというわけではないのですが、ネット上にはこういう広告が無数に転がっています。たとえば株式投資のサイトを見ると、一目瞭然です。
ところがですよ。この手の広告を真剣に読む人はほとんどいません。
なぜなのか?お気づきだと思います。
そう、うさん臭いんです。ホントなのかと気にはなっても、どうせろくな内容ではないだろう、なんてことを考えてしまうわけです。あやしい。何かあるのでは? そんなうまい話、あるわけがない!とか……
そのとおり!簡単にガッポリ稼げる方法なんてありませんし、だいたい話がうますぎます。信憑性がない。だから真剣に読む気にはなれないんです。
しかし、その広告が事実に基づいていて、話が具体的でかつ信頼に値する情報が入っているとなったら、もちろん読みたくなるはずです。広告の訴求ポイントとは、メリットを伝えることそして相手に信用してもらうことです。
ただ信頼を得るのは容易ではありません。これには、それなりの証拠や数字化されたデータや第三者の声などが必要です。まずは良い例があるので、信頼できるお金訴求型の広告を紹介します。
スミス・バーニー証券が1995年に使った広告なのですが、それまで打った広告の中で一番新規顧客を獲得したものです。
Which StocksWill OutperformThe S&P500®Over TheNext 12 Months?(どの株がこの12ヶ月でS&P500®を上回るのか?)
On July5, the Smith Barney Research Department released their TEN+Stock List.We believe this list, if purchased in its entirety,offers the best potential for total returns over the next 12 months.
(7月5日、スミス・バーニー証券のリサーチチームはTENプラス株リストを公表しました。もしもこのリスト通りに購入された場合、今後12ヶ月で最も期待できるトータルリターンになるものと確信しております。)
Now our TEN+Stock List is available to you.
(どうぞ当社のTEN+株リストをご活用ください。)
Get your copy to find out:
・which TEN+stocks we believe offer superior growth and return for the next 12 months.
・reasons why each stock is attractive.
・projections for each company listed.
(次のことがリストからわかります。どのTENプラス銘柄が12ヶ月の間に成長するか。それぞれの株が魅力的なわけ。リストにある企業の展望)
CALL 1800 EARN-IT, EXT.81
(1800 EARN-IT, 内線.81までお電話を)
Call 1 800 327-6748,ext.81 for your complimentary copy of “The TEN+ Stock List”
(ご連絡いただければ、TENプラスのリストを無料で差し上げます。)
購入してもらう理由をしっかり伝える
広告の中で何よりも重要なのは見出しですが、これは購入してもらう理由にもなっています。効果があった広告の見出しには、購入してもらう理由が入っているんです。
売上を上げる訴求ポイントの例を見て下さい。
- 収入をアップさせる
- お金を節約する
- 退職後の不安を消す
- 健康になる
- 病気を治す
- 老後の心配をなくす
- 仕事で成功する
- 名声を得る
- 喜びを得る
- 家事の負担を軽減する
- 自由になる時間をつくる
- 快適に生活する
- 痩せる
- 心配事から解放される
他にも孤独から解放されたい。おいしいものをお腹いっぱい食べたい。友達を増やしたいなど、人の欲求に関することはどんなことでも売り込めます。
それからお得であるということも、売るときの強力な訴求ポイントです。そのためデパートやスーパーは、バーゲンセールを開催したり本日の目玉商品を用意しているんです。なぜなのか。ご存知のとおり、そのほうが何もしないときよりもずっと売上があがるからです。
他にも人よりも良いものを身に付けたい、贅をつくした豪華な家に住みたい、もっと美しくなりたいなど、人の願望を刺激することも訴求ポイントになります。
テストからわかった訴求ポイントの重要性
日本一のマーケッターとして有名な神田昌典さんをご存知の方は多いと思います。訴求ポイントの重要性をテストされていてすごくわかりやすいのでご紹介します。これは顧客の1年間の雑誌全面広告を11点用意して、そこに付けたクーポンの返信数を調べるというものです。
このテストから明らかになったことがありました。効果の高かったグループの広告には、説得力のある具体的な訴求ポイントが必ず1つは入っていたのに対し、効果の低かったグループの広告には、訴求ポイントが一つも入っていなかったことです。
特に効果の高かった広告には共通した特徴があり、強力で具体的というだけでなく見込み客に合った訴求ポイントが入っていたのです。
広告の分析から学ぶこと
このテストを分析した結果、わかったことは次のとおりです。
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訴求ポイントは広告を作るとき極めて重要になること
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効果を上げるためには、相手にマッチした訴求ポイントを必ず見出しにいれること
他にも重要なことが分かっています。訴求ポイントは記事や広告のなかに入れるだけでは、不十分であることです。本文に強力な訴求ポイントを入れたとしても、効果がなかった広告もあるんです。※訴求ポイントは必ず見出しにも入れること!
効果的な訴求ポイントの探し方
どんな訴求ポイントが効果的になるのか見つけるには、実際にテストするしかありません。これは難しいということではなく、わりと簡単にできます。
テストする広告を用意したらそれぞれの隅にその広告から反応を得た数や売上高を記入していきます。サイトの広告ページならば、コメントの数、表示回数、クリック数などになるかと思います。
次に下の項目のあるチェックリストを作って、どんなところが違って、どんなところが同じなのか記録して下さい。
- 見出しと小見出し(訴求ポイントの有無、表現のしかた、フォントの大きさ、位置)
- 画像(大きさ、種類、位置)
- レイアウトと色使い(全体的な見た目)
- 本文(文字数と文字の大きさ)
- オファーのしかた
- 広告の大きさ
- 媒体(日刊・週刊・月間・LP・メールなど)
- 位置(サイトの一部に掲載した場合)
効果のある広告は、そうではない広告に比べハッキリとした特徴が一つ以上あると思います。たとえば、本文の長い広告のほうが短い広告に比べて成約率が高いとか、あるいはその逆であるとか、画像が多く含まれているとか、ほとんどビジュアルを含まないほうが効果があるとか…
大切なのはどんなところが成果につながっているのか見つけることで、それがわかったらさらに磨きをかけて次の広告で利用することです。