トランプ氏が大統領になってから、早くも1年になります。 勝利した直後は「株が暴落するのでは!」と騒がれていたものの、予想を反する勢いでアメリカ株は上昇しています。


大暴落のシグナル

週明け11日の東京株式市場では、日経平均株価(225種)の終値が2万2938円73銭となり、1992年1月以来、約26年ぶりにバブル崩壊後の高値を更新しました。


ということは暴落が近いのかもしれません。そこで株価暴落を予想するためによく使われている指数を2つご紹介したいと思います。






恐怖指数とは

恐怖指数とはViX指数のことで「ボラティリティ・インデックス(Volatility Index)」の略になります。アメリカの主要株価指数に「S&P500」がありますが、この指数のオプション取引時における値動きを元に算出されているのがViX指数です。


ViX指数が恐怖指数と呼ばれるのは、投資家たちが将来をどのように予測しているかを見積もるときのパラメータになっているからです。

そもそもボラティリティ(Volatility)とは?

ボラティリティ(Volatility)を直訳すると、「落ち着きのない性質」「うわついた性質」「移り気」という意味になります。株式市場では金融用語として使われており、一般的には投資商品の値動きの激しさを示します。


たとえば、株価が急騰もしくは急落している場合、「ボラティリティが大きい」といえますし、逆にほとんど値動きがなければ「ボラティリティが小さい」といった表現ができます。


ボラティリティをもっとわかりやすくすると、例えば1週間の間に5%上昇した銘柄AとBがあるとしましょう。銘柄Aは毎日1%づつ上昇した銘柄だとします。


その一方で銘柄Bは、1日目→4%上昇、2日目→2%下落、3日目→3%上昇、4日目→2%下落、……と上がったり下がったりをくりかえした銘柄だとします。


銘柄Aのケースは、徐々に徐々に株価が上昇していくので、不安を感じることは少ないはずです。ところが銘柄Bのケースは、ある日は上昇しても次の日は大きく下落するので、警戒心が出て来ます。BはAに比べて安定していない相場になり、この場合、BはAにくらべてボラティリティが高いといえます。


つまり、ボラティリティが高いとは値動きが激しいことになります。ボラティリティが高い相場の株価は、乱高下します。値動きが激しいと、大きな利益を出す投資家もいれば逆に大損する投資家も多いことになります。


値動きが激しい相場では、投資家たちが感情的になるので、特に相場が暴落するときのボラティリティは驚異的に高くなります。損失がどんどん膨らめば投資家の恐怖心はより強くなりますよね。


このような背景があるので、ボラティリティは投資家の心理状態に深く関わっていると考えられています。ただ、ボラティリティはあくまで過去のデータです。ではなぜ、投資家たちが将来をどのように見ているかを推測できるのでしょう。


VIX指数が未来を予測するのに有効であると言われているのは、オプション取引を元に算出されているからです。オプション取引とは特定の商品の将来的な値段を予測して、現時点で決めた価格によって売買する権利を購入する取引きのことです。


先物取引きに似ていますが、少し異なります。先物取引は将来にその商品を購入するための契約をする取引きのことで、権利だけを購入するオプション取引とはこの点が違います。


もっと具体的にするとイメージしやすいと思うので例をあげてみますね。


例えば、新しいモデルの車が200万円で販売されたします。先物取引の場合、200万円で購入する契約を結ぶことになり、オプション取引の場合、購入するためのチケット(権利)を買うことになります。


かりに200万円で販売されていた車が180万円になったとしましょう。先物取引きのときは、決められた期日までに契約したときの値段で購入しなければなりませんから、相場の値段がかわっても支払いは200万円です。


これに対しオプション取引の場合、車を購入するための権利は買ったものの、その車自体を購入したわけではないので権利を放棄して、相場の価格(180万円)で購入することができるんですね。


どちらも未来の価格を予測する取引きになり、一般的に、先物市場やオプション市場は将来の相場を予測した指数とされています。


そのため、オプション取引の価格が上がると日経平均株価も上がり、逆にオプション取引きの価格が下がると日経平均株価も下がると考えられているんです。


これと同様にオプション市場のボラティリティが高くなると株式市場のボラティリティも高くなると推測できます。このことから、オプション価格を用いて算出されたVIX指数は、将来の相場の動向を推測するのに有効な手段になると信じられています。


ただ、VIX指数はシカゴオプション取引所(COBE)で取引きされているS&P500のオプション取引のボラティリティを元にして算出される指数です。


日経平均株価の恐怖指数は日経VI指数で、大阪証券取引所で取引される日経平均の先物とオプション取引のボラティリティから算出されています。


また欧州版の恐怖指数はVSTOXX指数になります。VSTOXX指数はEURO STOXX50のオプション取引のボラティリティから算出されています。EURO STOXX50とは欧州を代表する50銘柄の株価指数で構成されている指数のことです。


VIX指数、日経VI指数、VSTOXX指数が異常に高くなると世界大恐慌の可能性もないとは言えません。





VIX指数と日経平均株価の動き

VIX指数

上の図はVIX指数と日経平均株価を表したチャートになります。22,868円に達したところで、日経平均株価が下落しているのがわかります。


2008年のリーマンショックの時には、VIX指数が80を超えたので、まだ、それほど危険な状態ではないでしょう。また、一般的に警戒が必要になるのは30を超えたときです。もしも40を超えることがあれば、市場全体が恐怖で充満していることになります。


「VIX指数と日経平均株価」で検索するとVIX指数のチャートを掲載しているサイトがいくつも見つかりますので、確認してみると良いと思います。


ではもう一つ、ヒンデンブルグオーメンという暴落のシグナルになる指数があるので、そちらもご紹介しますね。


ヒンデンブルグオーメンとは

ヒンデンブルクオーメン

ヒンデンブルグオーメンも重要な暴落のサインになります。名前の由来は、1937年にアメリカのニュージャージー州で起こったドイツの飛行船「ヒンデンブルク号」の爆発事故からきています。


ヒンデンブルグオーメンとは米国の数学者のジム・マイエッカ氏がマクレラン・オシレーターなどを使って考案したシグナルのことです。またマクレラン・オシレーターとは、52週の高値と安値の銘柄数の関係や移動平均線の動きから株価が短期に上昇する勢いをはかるオシレーターのことです。


ヒンデンブルグオーメンが点滅すると約41%の確率で暴落が起こることで知られていて、サインが点灯した場合40日間は暴落の可能性が非常に高いです。


これはあくまでおおよその日数で、ときには2か月後3か月後に大暴落がおこることもあります。なので、恐怖指数とともに投資家にとって目がはなせないシグナルです。


ヒンデンブルグオーメンが点滅するときは、ほんの小さな暴落というわけではなく、リーマンショックのような前代未聞の大暴落が起こる前兆です。


今年は5月末に点灯が確認されていますが、しばらくしてサインは消えて大暴落には至りませんでした。しかし、2015年の6月に点滅したときは、その2か月後、中国経済にたいする不安が起因してダウ工業株30種の平均は1000ドルを超える大暴落を起こしています。


現在、米国株は史上最高値圏を更新中ですから、いつ大暴落がおこってもおかしくはない状況です。また日経平均株価もそれほど好材料がないにもかかわらす好景気です。


世界中に深刻な不安材料が転がっているので、株価が急落する日はそう遠くないのかもしれません。そこで、もしものときに大損害を回避するための方法を提供している教材があるのでご紹介しますね。「渋谷高雄株式大百科」という商材になります。初心者の方なら教科書として使えると思います。


最後に何と言っても一番の教科書は会社四季報になるかと思います。雑誌のFujisan.co.jpから購入すると送料無料で割引もついているのでお得です。